2012年8月31日金曜日

中国軍“鷹派”に「理性的政策提案」は少ない=人民日報

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サーチナニュース 2012/08/31(金) 16:25
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0831&f=politics_0831_024.shtml

中国軍“鷹派”に「理性的政策提案」は少ない=人民日報

  中国人民日報社が出版する「環球人物」誌はこのほど、
 「中国軍の4代の鷹派」
と題する論説を発表した。
 人民日報海外版、中国新聞社などのメディアが転載した。
 中国人民解放軍の初期の「鷹派」を評価する一方で、現在の「第4世代の鷹派「については、理性的な政策提案は「今のところ、多くない」と主張した。

  第1世代の「軍内鷹派」としては、1934年生まれの李際均中将を挙げた。
 李中将は、97年に訪米した際、中国脅威論にひるむことなく、
 「中国を敵視すれば、12億人の敵を作り、高い代償を支払うことになる」
と警告したという。

  第2世代としては、1955年生まれの喬良空軍少将を取り上げた。強硬な発言が多い一方で、
 「軍人が弱みをみせる発言をすれば、その国には希望がない。
 ただし、軍人がいたるところで威勢のよい話をするようでは、同じように国家に損害を与える」
など、理性的な表現もしているという。

  同世代に属する王湘穗空軍元大校(「大校」は「大佐」に相当)も、軍の鷹派として知られる。
 王元大校は自らを鷹派と認め
 「すべての軍人は“鷹”だ。
 軍人が“鷹”でないとすれば、それは“平和の鳩”だ」
と述べた。

  第3世代としては、国防大学の朱成虎教授らを挙げた。
 朱教授は2005年7月に記者会見で、
 「大陸側と台湾が戦争になり、米国が介入した場合、どうするか」
との質問を受け、
 「米国がミサイルなどで中国領土を攻撃すれば、われわれは核兵器で反撃する」
と述べた。
 中国は核兵器の「先制不使用原則」を打ち出しているが、
 「原則とは変更してよいものだ」
と踏み込んだ。
  朱教授の発言については米国で猛反発が発生したが、米国内の鷹派に「中国は本気だ」と、台湾問題についての中国の決意を真剣に考える動きも出たため、「強気発言」を評価する見方も出た。

  論説は、これまでの中国の「軍内鷹派」について、「理性的であり、中国を有利に導いた」と評価する一方で、現在の「第4世代の軍内鷹派」については、
 「人を驚かすような発言をする場合があるが、理性的な政策提案や、厳格な理論体系の構築は、今のところ多くない」
と批判した。

  軍内鷹派全般については、
 「毀誉褒貶(きよほうへん)は一致していない。 
 ただし、さまざまな観点が同時に存在していること事態は、中国社会の世論が多元化し、国としての寛容さが増していることの有力な証明」、
 「中国がまさに、成熟と理性にむかってたゆまず歩んでいることを示すもの」
と主張した。

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◆解説◆
  同論説で、特に注目すべきことは、軍の「メンツ」そのものには配慮しつつ、「台頭しつつある第4世代の鷹派」を低く評価したことだ。
 しかも、「理性的な政策が多くない」と論じた直後に「中国は理性に向って進んでいる」と主張した。

  中国の胡錦濤政権は、対外的な「極端な強攻論」について批判的とされる。
 いわゆる「愛国運動」が過激化した場合にも、
 「愛国無罪(愛国の動機があれば、罪にならない)」
を退け、「理性的愛国」を訴えてきた。

  一方で、尖閣諸島や南シナ海をめぐる問題などについて、このところ軍内部からの「強硬論」が目立つ状態だ。
 人民日報は中国共産党の機関紙であり、「第4世代の軍内鷹派」を厳しく評価したことで、軍内の強硬論を牽制(けんせい)しようとした可能性がある。


 軍人というのは熱情で動くもの。
 政治家は理性で動くもの。
 その政治家のメデイアである人民日報が
 「日本にその覚悟はあるのか」
と大見得を切った。
 そこから、ドタバタが始まった。
 軍人は兵器というオモチャを持たせれば使いたがる。
 そして、強力な武器をもつとあたかも自分が強くなったような錯覚に陥って理性をなくす。
 凡人にピストルを持たすと、なんだか無敵のように思えてくる心理と同じ。
 大言壮語のラッパを吹いて、情熱にかられてしまう。
 が、一度負けるいうことがわかるとあっという間にクシュンとなってしまう。
 負けたあとのことを考えてしまうからだ。
 そして萎縮して動けなくなる。





【日本にその覚悟があるのか】



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