2012年8月16日木曜日

尖閣上陸で香港船14人逮捕:何故、故意に上陸させたのか?

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●中国の国旗などを手に魚釣島に上陸する香港の民間団体の活動家ら(15日午後5時35分、読売機から)


●活動家らを島に降ろした後、魚釣島沖で海上保安庁の巡視船に挟まれる抗議船(中央)(15日午後6時46分、読売機から)



2012年8月16日03時10分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120815-OYT1T00870.htm

尖閣上陸で香港船14人逮捕…政府、強制退去へ

 15日午後5時半頃、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島西側の岩礁に、中国の領有権を主張する香港の民間反日団体「保釣行動委員会」の抗議船「啓豊2号」が接岸、乗っていた男14人中7人が上陸した。

 沖縄県警は同5時54分、うち5人を入管難民法違反(不法上陸)容疑で現行犯逮捕。さらに海上保安庁の巡視船が、戻った2人を乗せた抗議船を挟み込んで捕捉、同8時1分、乗船していた9人を同庁が同法違反(不法入国)容疑で現行犯逮捕した。

 尖閣諸島への不法上陸者の逮捕は、2004年3月以来。
 野田首相は同日夜、首相官邸で記者団に、「法令にのっとり厳正に対処する」と語った。
 政府は、逮捕者を一両日中に強制退去の行政処分とする方針だ。
 政府は、今回の不法上陸をあらかじめ想定、死傷者を出さない方針を決め、海保が安全に配慮して対応した。
 ただ、送検することも可能で、中国や台湾が尖閣諸島の領有権主張を強める中、刑事責任を問わないことが波紋を呼ぶ可能性もある。




テレ朝ニュース (08/16 06:15)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220816006.html



尖閣上陸の香港活動家ら14人を那覇に移送(08/16 06:15)

 15日午後、尖閣諸島の魚釣島に上陸した香港の活動家5人と領海に侵入した9人が、出入国管理法違反の疑いで現行犯逮捕されました。
 14人は現在、沖縄本島に向けて移送中です。

 沖縄県警などによりますと、午後5時半ごろ、香港の活動家7人が尖閣諸島の魚釣島に上陸しました。
 県警や入国管理事務所などが日本の領土なので入らないよう警告したところ、2人は船に戻りましたが、5人が島にとどまったため、県警は、自称・中国国籍の男ら5人を不法上陸の容疑で逮捕しました。
 警察の調べに対し、逮捕された5人は「魚釣島は中国の領土だから違法ではない」と容疑を否認しているということです。
 また、船に戻った2人を含む9人の男も不法入国の容疑で海上保安本部に逮捕されています。
 これで逮捕者は合わせて14人に上り、県警に逮捕された5人の身柄は16日午前中にも沖縄本島に移送される予定です。




サーチナニュース 2012/08/16(木) 01:57
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0816&f=politics_0816_001.shtml&pt=large

尖閣上陸の香港船の14人逮捕、中国政府は無条件釈放を要求

 沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を主張する香港の活動家が15日夕方に魚釣島に上陸して逮捕された問題で、中国外交部の傅瑩副部長(外務次官)は同日夜、丹羽宇一郎駐中国大使を緊急に呼び出し、逮捕された14人を直ちに無条件で釈放するよう要求した。
 中国国営新華社通信が伝えた。




レコードチャイナ 配信日時:2012年8月15日 18時7分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=63808&type=0

尖閣へ向かった香港の抗議船にもの申す、
「民間の活動は国家間の大局に逆効果」
―香港メディア

 2012年8月15日、尖閣諸島の領有権を主張する香港の抗議船が、午後にも尖閣諸島に到着する。
 本来、中国・台湾・香港の民間団体によって行われる予定だった抗議活動は、中台の抗議船がそれぞれ現地当局の圧力によって出航と参加を断念している。
 香港の衛星局・フェニックステレビの時事評論員アンソニー・ユン(阮次山)氏はこれを受けて、
 「民間レベルでの活動は国家間の大局にとっては何ら影響力がない」
と論じている。
 北米華字ニュースサイト・DWnews(多維新聞)の報道。

 「この程度の問題が日中の軍事衝突に発展する時代ではない」。
 ユン氏はそう断言した。
 軍事面で争ってもまったく勝ち目がないことを日本側はよく理解している。
 1972年、沖縄が本土復帰した際、米国務省はその中に
 「尖閣諸島は含まれていない」
と明言しているし、日米安保条約の範囲外であるこの尖閣問題について、米国の後ろ盾がないことは明白である。
 ここで民間の活動団体が挑発を行っても、国家間の大局を損なうだけだ。
 中国側には、具体的な方策がある。
 そしてそれを徐々に実行に移しているとユン氏は見ている。
 この時機に民間団体が行う活動は、むしろ逆効果になりかねない。

 今回、尖閣に向かった民間団体は軍部に護衛航行を求めるべきではなかった。
 東シナ海の領海問題が現在のような状況にある以上、こうした民間の活動はなおさら、事前に政府との交渉を経て行われるべきであった。


 中国民間人の尖閣諸島上陸で一番利を得るのは誰か。
 そのことが問題だろう。
 この程度のことで日本と中国がこれまでの解釈を変えるはずがない。
 そういう国家レベルの問題で変化はない。
 とすると、一番利を得るのはどこか、ということになる。
 冷静にみて、おそらく日本の警察と海上保安庁だろう。
 今回の行為は日本側からみると、「密入国」であり「不法入国」になる。
 警察というところは、犯罪取締りが主であって、犯罪予防は従である。
 「ことが起こってから動く」
ところであり、予防への動作は鈍い。
 前の上陸は8年前で、これはもはや予防としての有効性をもっていない。
 前回とは違って今回は中国が脅しをかけてきている時期である。
 ことが一度おきると再発防止で積極的に動くシステムをもっているのが警察である。
 この時期の行動は警察にとっては最重要警戒事項になる。
 これから、いかに上陸を防ぐか、もし上陸されたら、どう対処すべきか、という課題がつきつけられている。
 と、同時に、警察と海上保安庁の尖閣への警備が当然状態になり、いいかえると予算がつき、種々の動きが加速していくことになる。
 この上陸はそういう日本の保安行動を引き起こすきっかけをつくったことだけは間違っていないだろう。
 尖閣諸島はこの上陸を契機として今後、警察・海上保安庁の手厚い保護を得て厳戒態勢の下に置かれていく可能性が高い。
 つまり、
 ことが日本側にとって有利に展開していく、ありがたい行動であった

と言えよう。



サーチナニュース 2012/08/16(木) 12:21
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0816&f=national_0816_039.shtml

「上陸は快挙」の声に異論…「日本が自制しただけ」=香港報道

  香港在住の時事評論家の何亮亮氏は15日、香港に拠点を置く鳳凰衛視(フェニックステレビ)の番組「新聞今日談」で、日本側が香港人の活動家に尖閣諸島の魚釣島への上陸を許したのは、「日本側が自制したからだ」という見方を示した。
 「上陸成功」に興奮する声とは一線を画し、日本側の冷静な対応に注目した。

  何氏は、
 意外だったこととして、日本側が活動家の上陸を許したこと
と述べた。
 海上保安庁の装備は優秀であり、情報も早くから得ていたと指摘。
 「(上陸阻止のため)なぜ最も強硬な方法をとらなかったのか
と疑問を感じたという。

  活動家の立場からすれば、日本の艦船の包囲を突破したことになるが、
 「日本側には、最も不幸な局面を回避したいとの意志があった」
と指摘した。

  何氏は、最も不幸な局面とは
 「海上保安庁が、巡視船を活動家の乗る漁船に強くぶつけること」
と説明。
 死傷者が出れば、事態は極めて騒然とすると論じ、
 「私は、日本は事態をコントロール可能な範囲にとどめたと信じている」
と述べた。

  何氏は
 「日本人からすれば釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)は日本のものだ。
 すなわち尖閣諸島だ。
 日本の固有の領土だ。
 われわれは外国人ということになる」
と、日本側の立場に言及。
 日本側は活動家をまず上陸させてしまい、上陸後に
 「日本の法律に違反した外国人」
として、逮捕するという方法をあえて選んだとの見方を示した。

  仮に、日本が巡視船十数隻動員して、みずぼらしい漁船にぶつけて沈めた場合
 「全世界の華人が激高する。
 まずは、中国大陸の民衆が強烈な不満を示す」
と指摘。
 「日中関係は空前の危機に陥り、釣魚島は、東南アジアにおける新たな危機の起爆点になる。
 だからこそ、日本側は(強硬手段を)自制した」
との見方を示した。

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◆解説◆
何亮亮氏は1951年に上海で生まれた。中国政府のシンクタンク、中国社会科学院で修士号を取得し、1988年に香港に移住した。鳳凰衛視は香港に拠点を置き、大陸部を含む中国語圏向けに放送を行っている。




サーチナニュース 2012/08/18(土) 09:57
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0818&f=politics_0818_004.shtml

海上保安庁は“保釣船”に隙を与えた? その陰謀とは=中国報道

  香港の活動家が15日午後16時30分ごろ、尖閣諸島(日本名:釣魚島)に上陸し、5名が沖縄県警に「不法入国」の疑いで逮捕された。
 中国、台湾、香港の抗議船はこれまで尖閣諸島の上陸を何度も計画してきたが、いずれも日本側に阻止されてきた。

 海上保安庁の巡視船がその気になれば、今回も活動家の上陸を阻めたはずだが、
 わざとその隙を与えた目的は何か。

 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

  日本新華僑報の蒋豊編集長は、日本側が譲歩した裏には大きな陰謀が隠されていると話す。
 報道によると、香港の活動家は
 島内で海上保安庁に逮捕されたが、これは海上保安庁が先に上陸を果たしていたことを意味し、
 日本の尖閣諸島に対する実効支配をアピールすることになった。

  また海上保安庁は、故意に弱みを見せる形で国民に情報を伝えている。
 これにより、日本国内では今後、自衛隊による尖閣諸島の防衛、もしくは自衛隊の尖閣諸島駐留を求める声が高まるだろう。

  蒋編集長によると、活動家の上陸後、いかに事件の後始末をすべきかが両国政府の課題となっている。
 本件は象徴的な出来事であり、これにより日中関係の大局を損ねてはならないことを認識する必要がある。
 いかに極端な手段を回避すべきか、これは両国政府が考慮すべき重要問題である。

  蒋編集長によると、2004年3月に7名の中国人活動家が尖閣諸島に上陸し、沖縄県警に「不法入国」を理由に逮捕された。
 しかし小泉純一郎元首相は政治的見地から、「刑事手続き」を見送った。
 当時の日中関係は、小泉内閣の靖国神社参拝により、かつてないほど冷え切った状態だったが、問題は適切に解決された。
 今回の出来事を適切に解決できるか、これは野田内閣の外交政策、「大局観」を再び試している。


 「何故、上陸を許したのか?」
 阻止するポーズをみせながら、上陸を誘導したのが日本当局その人。 
 その意図するところは。
 今回は
 「上陸してくれたほうが、日本にとって得策
と読んだからだろう。
 日本の警察権力は予防力には弱い。
 犯罪が起こらなければ動けない、というシステムになっている。
 今回、「密入国」という犯罪が起こった。
 起こった以上、
 これからは起こらないようにしないといけない
ということになる。
 つまり、この上陸という出来事によって、
 日本当局は行動の自由を信託された

ものとなった、ということである。
 してやったり!
と手を叩いて日本当局は喜んでいるだろう。

 「逮捕した」
ということは、警察が事前に尖閣に上陸したということである。
 つまり尖閣は日本の警察権の下にあった、ということをアピールする形になる。
 そこへ密入国者がやってきて捕まってしまった、ということである。
 そして密入国者を取り調べ、今回は初犯ということで(日本人なら始末書をかかせ)、説諭で放免というプロセスになる。
 ただ、明確に日本の刑事権の下に尖閣はあるということを宣伝した、ことになる。

 


【日本にその覚悟があるのか】



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