2012年7月31日火曜日

「中国にはその覚悟はあるのか」=防衛白書

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● JNNニュース



ウォールストリートジャーナル 2012年 7月 31日 18:08 JST
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_486465

日本、対中防衛力強化の必要性を強調=防衛白書


●尖閣諸島(中国名:釣魚島)の周辺海域でにらみ合う日本の海上保安庁の巡視船(左)と中国の漁業監視船(7月11日、中国・新華社提供)

 領土問題で日中間の緊張が高まるなか、日本政府は31日、中国政府の海上における拡大志向を批判し、領土問題の焦点となっている離島周辺の監視体制と防衛力を強化する方針を示した。
 482ページにのぼる防衛白書で表明した。

 同白書は、今回初めて、中国共産党指導部と人民解放軍との関係が複雑化しているとの見方や、同国の対外政策決定における軍の影響力が変化しているとの見方を紹介、このことは日本の危機管理上の課題としても注目されると指摘した。

 日中間では数週間前に、日本で「尖閣諸島」、中国では「釣魚島」と呼ばる東シナ海の島々の周辺海域で日本の海上保安庁の巡視船と中国の漁業監視船がにらみあう事件が起きている。

 日本の野田佳彦首相と森本敏防衛相は先週それぞれに、海上での緊張が海上保安庁の手に負えないほどに高まった場合には自衛隊を出動させる考えを表明した。

 防衛省の報道担当の石塚泰久審議官は記者団に対し、
 「いろいろな形でほぼ毎年、沖縄、宮古島、日本海側の色々な島嶼部(とうしょぶ)を越えて太平洋に進出して来ており、わが国の尖閣諸島のまわりの領海に侵入する事案も発生している」
と指摘した。
 その上で、緊急時を想定した監視の必要性を強調した。

 一方、中国国防省の耿雁生報道官は、釣魚島についての日本政府の最近の「無責任」な発言に注目していると語った。

 同報道官は、
 「このような誤った発言に対し中国人民は断固として抗議する」
と8月1日の陸軍記念日を前にした記者会見で述べた。
 また、中国軍は同国の主権や海洋上の権益などについて各管轄省庁と連携すると述べたが具体策には言及しなかった。

 防衛白書では、対中国の監視と防衛強化に加え、
 「信頼醸成措置として海事連絡メカニズムなどで対処することが必要」
とし、緊張緩和に向けて日中間に冷戦時代のような「ホットライン」を設けることを提案した。

 北朝鮮については、朝鮮半島で「挑発的な軍事行動」を繰り返しているとし、今後も軍事力の増強を継続するとの見方を示した。

 また、核実験や化学兵器の開発、ミサイル攻撃能力の増強も相まって、日本や周辺地域に安全保障上の問題を引き起こしているとの見方を改めて示し、
 「わが国の安全に対する重大な脅威であり、北東アジアおよび国際社会の平和と安定を著しく害するものとして断じて容認できない」
と非難した。

 白書では中国に対しても、
 「活動領域の拡大と活動の常態化を図って行くものと考えられる。
 このため、わが国周辺における海軍艦艇の活動や各種の監視活動のほか、活動拠点となる施設の整備状況、自国の排他的経済水域などの法的地位に関する独自の解釈の展開などを含め、その動向に注目していく必要がある」
と、警戒している。

 防衛省幹部は、
 中国共産党と人民解放軍の指導部の関係の変化
は、
軍の対外政策への影響について交錯するシグナルを与えているとみている。
 軍部が米国やその同盟国の防衛政策に対し以前よりも強気のコメントを行っている
ことは、最近、軍部の影響力が強化していることを示唆している。
 一方、政府の主要な地位に就く人民解放軍の 将軍が減っており
このことは軍の影響力の後退を示唆している可能性もあるという。

 「日本側の危機管理上の課題として、中国側のいろいろな行動の意図や目的がわかりにくくなっている」
と石塚審議官は語った。

 防衛白書はまた、中国が軍事的な存在感を増している兆候として、過去1年に日本周辺で起きた中国との衝突の例をいくつか挙げた。
 昨年3月の東日本大震災と原子力災害の後は少し鎮まっていたが、6月には12隻という例のない規模の艦隊が沖縄本島と宮古島の間を通過。
 また中国の漁業監視船が昨年8月以降、繰り返し尖閣諸島の周辺の日本の領海に侵入し、今月初めの海上保安庁と中国漁業監視船とのにらみあいに発展したことなどを指摘した。

記者: Yuka Hayashi




毎日新聞 2012年07月31日 20時26分
http://mainichi.jp/select/news/20120801k0000m010052000c.html

防衛白書:中国の透明性不足に警戒感強める 防衛省

 31日の閣議で了承された12年版防衛白書は中国の海洋進出が拡大の一途をたどる中、中国の軍事や安全保障に関する透明性不足に警戒感を強める防衛省の姿を印象付けた。
 防衛省は日中防衛当局間の海上連絡メカニズムの構築など対話を進める一方、警戒監視の強化などで抑止力を維持する
 「動的防衛力」の構築
で対応する方針だ。

 白書は中国について、
▽.公表国防費が24年間で約30倍に増加
▽.空母ワリャーグが11年8月に試験航行
▽.新型輸送機を開発中
▽.日本に対する情報収集機の活動が活発化
▽.漁業監視船が11年8月に尖閣諸島付近の日本領海に一時侵入
▽.人民解放軍が各国政府機関へのサイバー攻撃に関連との指摘
−−などの動向を列挙。
 「地域・国際社会にとっての懸念事項」となっている中国の現状をあぶり出した。

 防衛省は東シナ海などで活動を活発化させる中国海軍に対し、不測の事態を回避するための海上連絡メカニズム構築に向けて協議を続けている。
 6月下旬に北京で開いた第3回協議では、防衛当局間による会合の定例化やホットライン開設、現場の艦艇や航空機同士が交信できる周波数の共有について、年内に一部運用開始を目指すことで合意した。

 ただ、中国国家海洋局所属の監視船などが尖閣諸島周辺海域を航行する事案が相次ぎ、防衛省幹部は
 「中国海洋局と中国海軍がどれだけ意思疎通できているか分からない」
と、中国の意思決定の不透明さを警戒する。
 中国共産党と人民解放軍の関係についても「非常に複雑で分かりにくくなっている」(防衛白書担当者)
側面がある。

 日本政府は中国側との対話を強化するとともに、10年の防衛計画の大綱(防衛大綱)で打ち出した「動的防衛力」を重視。
 米国と連携して警戒監視や共同訓練などで中国に対抗する方針だ。
 防衛省幹部は
 「中国の海洋進出は止められない。
 中国に懸念を伝え続けながら、動的防衛力を強化していく」
と語る。




サーチナニュース 2012/07/31(火) 12:53
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0731&f=politics_0731_009.shtml



日本の12年防衛白書 わが軍事力の発展を誇張解釈=中国

  中国網日本語版(チャイナネット)は31日、日本が2012年度防衛白書で中国軍事力の発展を誇張解釈していると報じた。
 以下は同記事より。(写真は「CNSPHOTO」提供)

  2012年度防衛白書の巻頭言冒頭には、日本の森本敏防衛大臣の談話として、
 「中国は、国防費を継続的に増加し軍事力を広範かつ急速に近代化させるとともに、わが国の近海などにおいて活動を拡大・活発化させている」
と掲載されている。

  防衛白書を事前に入手していた環球時報によれば、各国の情勢に関する記述で、日本は中国にもっとも多くの紙面を割いている。
 書かれている内容は、中国の軍事費は24年間で30倍に拡張していること、中国海軍艦艇の太平洋進出が「常態化」していること、また中国では軍事の不透明感が国際社会全体を不安にしていることなどが含まれる。

  中国の日本問題専門家である高洪氏は
 「日本の誇張傾向に大きな変化はないものの、国際世論を『アジアの泥沼』に巻き込もうとしている」
と分析した。

  領土問題がヒートアップしている最中で、日本の強硬姿勢に変化が現れていると憂慮(ゆうりょ)する声もあがっている。
 韓国紙・世界日報は、
 「第2次大戦後、根こそぎ退治されたはずの日本軍国主義の亡霊が最近また復活の兆しを見せている」
と報じたほか、韓国紙「韓民族新聞」は、
 「『パンドラの箱』を開けてしまえば、東北アジアの平和がこっぱみじんになる」
と警告した。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/01 08:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/01/2012080100663.html

日本の防衛白書、中国国内の問題に言及
軍事的な脅威とは無関係な社会問題についても記載


 「中国は経済的に急成長したことにより、貧富の格差や物価の上昇、環境汚染、農業・工業用水の不足といった事態が起こっている。
 さらに今後、人口構造の高齢化に伴う問題も予想される」

 日本政府が先月31日に発表した「2012年版防衛白書」には、中国の軍事的な脅威とは無関係とみられる、貧富の格差や共産党幹部の腐敗など、中国国内の問題点についての記述が多く含まれている。
 同白書は
 「政権運営を不安定化させる要素が拡大・多様化していることを受け、中国政府はこれを管理できる組織を強化しているが、インターネットの普及により、民衆の行動を統制することが困難になってきているとの指摘がある」
と記述した。

 また、中国政府にとって最もデリケートな少数民族の問題にも言及し
 「多くの少数民族は国境地域に居住しているが、チベットやウイグルなどの少数民族による抗議行動や分離・独立運動も発生している」
と記述した。
 このほか、今年秋以降に共産党指導部が交代するが、次期政権をめぐる環境が決して楽観的ではない、との見方も示した。

 一方、中国の高圧的な外交についても批判している。
 同白書は
 「中国が世界的に重要な役割を果たしていることは、日本を含む国際社会が歓迎している」
としながらも
 「貿易不均衡やレート操作の問題、人権問題などをめぐり、外国との摩擦が発生している」
と指摘した。
 さらに同白書は
 「中国は周辺諸国と利害が対立する問題をめぐり、高圧的といえる対応を取っており、今後の方向性も不安な側面がある」
と記述した。
 また、中国の民族主義についての分析も盛り込み
 「中国は長い歴史や固有の文化を維持してきたというプライドに加え、19世紀以降に列強によって半植民地化された経験を有することから、国民に対し、国力強化に対する強い願望やナショナリズムを植え付けた」
と主張した。

 また、中国軍部の動向についても
 「共産党指導部と人民解放軍の関係が複雑化している。
 対外政策をめぐり、軍が意向を表明するケースが増えている」
として、軍部の台頭に対し懸念を示した。

 同白書に、中国の軍事的な問題だけでなく、社会問題についての記載も数多く盛り込まれたのは、日本で言及されている中国崩壊論や中国に対する恐怖心が反映されたものだといえる。
 日本では、中国の経済成長が鈍化するにつれ、民主化要求などによって大きな混乱に陥り、軍部が内部の不満を解消するため、外国との紛争に積極的な姿勢を示している、という説が取り沙汰されている。
 これについて、森本敏防衛相は記者会見で
 「日本だけでなく、東アジア全体が、中国がどのような方向に向かうのかという警戒心をある程度有している」
と語った。


 どうもこの防衛白書は
 「日本には覚悟はある」と答えと同時に
 「中国にはその覚悟はあるのか」
と問を投げ返しているような内容である。
 それに対して中国は、おそらく冷静にみて、
 相当しばらくは無理
といったところのようである。
 ということは、
 声高に理屈を並べて時間稼ぎをする
ことになるだろう。
 時間がたつと中国経済が減速して国内に不満がたかまり、解放軍が勝手な行動をとり始めるという危険性の大きくなってくる、ということもありうる。
 その時は、スケープゴートとして対日本がクローズアップされてくる可能性も大きい。


サーチナニュース  2012/08/01(水) 09:38
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0801&f=politics_0801_001.shtml

中国政府、日本の防衛白書に「強烈な不満」=中国報道

  中国新聞社は1日、日本政府が本年度の防衛白書で中国の国防政策を批判したことについて中国政府・外交部の報道官が「強い不満を示す」とコメントしたことを伝えた。

  外交部の洪磊報道官は31日の記者会見で日本の防衛白書についての質問を受け、
 「中国の正常な国防建設や軍事活動に対して言われもない批判を行い、中国の内部事情にああだこうだ口を挟んでいる。
 われわれは強い不満を示すとともに、すでに日本側に対して抗議を行った」
と発言した。

  洪報道官はまた、日本が近年さまざまな言い訳を用いて絶えず軍備拡張や軍事同盟強化を行い、地域の安全問題上で騒ぎを起こしていると指摘。
 「日本がすべきことは、自身の行為が地域の平和安定にとって良いことなのか真摯(しんし)に見つめなおし反省することだ」
と日本側に求めた。


 日本に「覚悟があるのか」と言っておいて、
 「日本がすべきことは、自身の行為が地域の平和安定にとって良いことなのか真摯(しんし)に見つめなおし反省することだ」
というのは話が逆。
 こういう矛盾した意味のない言葉の羅列的発言がこれから続くことになる
だろう。



サーチナニュース  2012/08/01(水) 15:56
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0801&f=politics_0801_008.shtml

日本の「防衛白書」は冷戦思考、わが国こそ日本の動向を懸念=中国

  日本政府は7月31日、2012年版の「防衛白書」を了承した。
 中国網日本語版(チャイナネット)は1日、
 「例年どおり、白書は中国に対する警戒基調を堅持し、中国脅威論を誇張するなど、完全に冷戦思考な白書だ」
と報じた。
 以下は同記事より。

  白書は、中国船舶の「尖閣諸島(中国名:釣魚島)」付近の日本領海への侵入は「地域の懸念事項」になっていると指摘したが、日本側の近ごろの行動を観察すると、尖閣諸島購入という茶番劇や、関係国との軍事同盟の強化、頻繁(ひんぱん)な軍事演習など、中国こそ日本のこうした動向を懸念すべきである。

  さらに白書は、中国艦艇の太平洋進出について、「常態化しつつある」と懸念を示した。
 周知のとおり、中国は防衛的な国防政策を堅持し、確固として平和的発展の道を歩んでいる。
 一方、日本は、白書の中で日米の「動的防衛協力」の実現を強調し、効果的な防衛力の構築を主張した。
 これは
 「自分が勝手なことをする一方で他人の自由を制限する」
というような横暴な論理だ。

  近年の日本の防衛白書を見ると、冷戦思考、右寄り思想、「恐中心理」が反映されている。
 日中両国は一衣帯水の関係であり、数千年の交流において、友好的な関係を築きながらも戦争や対立もあった。
 近年、一部の日本の右翼分子はポピュリズムに走り、平和憲法の「戦争しない」という条項を放棄しようとしており、このような極端な右翼思想に十分に警戒しなければならない。

  中国などの新興国の持続的な台頭や発展は阻止できない。
 日本側は情勢を適切に判断し、精神状態を調整し、中国の台頭を正確に捉え、中国を「脅威」でなく「チャンス」だと見なす必要がある。
 与謝野馨前財務相が述べたように、中国の活力ある発展は日本を含む東アジア経済の重要な基盤になる。

  緊張状態をわざと作ることは非常に危険だ。
 また、無責任な発言や意地の悪い憶測は地域の平和と安定のためにならない。
 周辺国との関係を改善し、共同発展を実現することが賢明な道である。


 自分から仕掛けておいて、何を言いやる、てなところになってきている。
 少々弱気かな。



サーチナニュース  2012/07/31(火) 21:18
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0731&f=politics_0731_025.shtml

日本の防衛白書に「日中はリラックスが必要かも」=中国

  日本政府は31日、2012年版の「防衛白書」を発表した。
 白書は中国の軍事力に触れており、防衛省が中国を警戒していることがわかる。
 白書は日中関係をさらに悪化させるもので、日本は東アジアで「中国に用心」という警鐘をもっとも熱心に鳴らす国になっている。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

  日本の中国に用心する気持ちは理解できる。
 中国の台頭は不確定性をもたらし、日本は日中の力の増減の急速な変化に適応できていない。
 アジアでもっとも力のある国という地位を維持してきた日本は、総合国力において中国に抜かれたくないため、うろたえている。
 これは不思議なことではない。

  しかし、日本は中国に対する警戒心を放っておいてはいけない。
 抑制しなければ、警戒心によって日本は行動を起こし、中国とアジアそのほかの国にも影響し、東アジアは一つの方向で行き詰まるだろう。

  集団安全保障がない東アジアに安全感を持つ国はない。
 中国も同じで、米国の「アジア回帰」の意図を深く疑っている。
 中国の軍事力がどれだけ高まっても、米国とその盟友の軍事力と比べると、劣勢を脱するのはしばらく無理である。

  韓国と北朝鮮も安全でないと感じており、東南アジアに「安全だ」と感じている国はないと言える。
 「安全の苦境」は東アジア諸国を苦しめている。
 安全保障について言えば、少なくとも北東アジアにおいて、日本は優れているほうだろう。

  総合国力が高く、国家安全がかなり保障されている日本は、中国から脅威を受けていると主張し、地域内で互いに信頼しない動きを強めている。
 これが北東アジアを悪い方向に導いていることは確かだ。

  中国の軍事力がいずれ全面的に日本を超えることは回避できないだろう。
 中国の経済規模はすでに日本を超え、国家安全が直面する試練や国防に対する実際の需要も日本よりはるかに多い。

  日本に中国の国防の発展を理解させることはできないが、日本は少なくとも、中国のやり方は論理に反したヒステリックなものではなく、責任ある政府が行う選択だと理解すべきだ。
 日本は中国台頭の本当の文化的、地縁政治的な意味を理解すべきで、軽はずみに戦略的結論を下したり、さらには中国台頭が日本に向けたものだと憶測すべきではない。

  中国も日本もリラックスが必要かもしれない。
 日本は冷戦として中国に目をつけ、中国の変化を評価してはいけない。
 また、中国は日本の中国に対する警戒心に不機嫌になったり、同等の対抗措置を取ったりしなくてもいい。
 北東アジアはすでに危険な「十字路」に来ており、しかも米国が「十字路」の信号をコントロールしている。
 各国は衝突を逃れるため、複雑かつ真剣に対応しなければならない。


 脅しをかけてみたが、相手が本気だとわかったので、ビビッテしまい、
 「リラックス、リラックス」
と叫び回っているような感じ。、




【日本にその覚悟があるのか】



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